セカンダリー投資とは?初心者でも10分で理解できる投資講座

セカンダリー投資はIPO後に行うことができる投資ですが、具体的な投資手法やリスク管理の方法などはご存じでしょうか。

セカンダリー投資は投資家の裁量次第で様々な売買をできる分、投資家個人の資質や経験が非常に重要になります。

本記事では、セカンダリー投資の初心者に必要なセカンダリー投資の基本知識と注意点、そして具体的な投資手法について解説します。

本記事を読めば、セカンダリー投資の経験が無くともセカンダリー投資で利益を出す道筋が見えてくるでしょう。

1. セカンダリー投資とは何か

セカンダリー投資とは、証券市場にIPO(新規株式公開)として上場したばかりの株式銘柄を対象とした投資のことです。

IPOと違いセカンダリー投資は抽選が無く、証券口座を持っている投資家であれば誰でも参加できます。

IPOは申込口数に上限が定められているため大口の投資家には効率が悪いが、セカンダリー投資であれば証券市場においていくらでも買い求めることができるので、大口投資家にとっても魅力があります。

また、手放したい時にはいつでも手放すことができ、リスク管理もしやすいのです。

言ってしまえば、普通の株式売買と変わらないのですが、セカンダリー投資にはセカンダリー投資ならではの優れた点があるので、次の項目で紹介します。

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2. セカンドリー投資が優れた点はどこか

2-1. 値動きが大きい

セカンダリー投資の一番の魅力は、値動きが大きいことです。

セカンダリー投資の対象銘柄は一般的な株式銘柄よりも注目度が高く、人気も集まりやすいのです。

また投資家もIPO直後の銘柄は値が大きく動くことが分かっているので、値上がりが期待できる銘柄には買いが集まりやすいです。

セカンダリー投資の対象銘柄の株価形成に大きく関わっている市場参加者として、デイトレーダーの存在があります。

デイトレーダーは、基本的にその日のうちに買いと売りを完結させるので、IPO直後のような値動きの大きい銘柄に集まりやすいです。

デイトレーダー達は株価が動き出すと一気に買い注文や売り注文を入れて来るので、場合によっては秒単位で値が乱高下します。

それが積み重なり、数日・数週間のスパンで見ると、株価が数倍・・・時には十倍以上跳ね上がることもあるのです。

以下は、2016年12月22日にマザーズ市場に上場したフォーライフ(3477)の、上場初日における5分足チャートです。
セカンダリー投資とは何か?初心者でも10分で理解できる投資講座

公開価格が2,280円で、初値は3,000円でした。

初値を付けた時点で、すでに公開価格から32%の上昇をしていましたが、その日のうちに最高で3,680円まで上昇し、初値の3,000円と比べても23%の上昇をしていることが分かります。

セカンダリー投資のデイトレーダーには、非常に”おいしい”銘柄であったことでしょう。

2-2. 空売りが少ない

セカンダリー投資の対象銘柄であるIPO直後の株式は、空売りが少なく極端な値下がりをしにくいです。

空売りは、持っていない株を証券会社から借りてきた上で売る取引手法であり、外資系の投資機関が好んで行う傾向にあります。

空売りが行われる銘柄は、値下がり幅が大きくなりやすく、短期間であっという間に株式価格が低下します。

従って、買いをメインに行っている投資家からすると、空売りが頻繁に起きる銘柄は非常にやり辛い銘柄と言えます。

しかし、IPO直後の銘柄は空売りが可能な貸借銘柄に指定されていることは少なく、また取引高も外資系が相手にするような大型銘柄とは比較にならないくらい少ないので、空売りの心配をあまりしなくて良いのです。

国内投資機関および外資系投資機関の空売り残高は、日本取引所グループの「空売りの残高に関する情報」で確認することができます。

3. 初心者でもできるセカンダリー投資の銘柄の選び方

セカンダリー投資で利益を上げるには、銘柄選定に力を注ぐ必要があります。

ここではセカンダリー投資の初心者でも可能な、値上がりしやすい銘柄の選び方について解説します。

3-1. ベンチャーキャピタルの存在に注意

ベンチャーキャピタルが大株主になっている銘柄は、IPO後に大きく値下がる可能性があるので注意が必要です。

ベンチャーキャピタルはハイリターンな投資を行う投資会社で、主に未上場の将来有望な企業に対して資金提供や経営コンサルティングを行い、投資先企業の価値を高めることを事業としています。

ベンチャーキャピタルにとって最もリターンが大きい投資資金の回収方法は、投資した企業を上場させて、保有していた株式を売ることです。

株式は上場されると価値が跳ね上がるので、ベンチャーキャピタルとしてはIPOを目指すのです。

ところが、ベンチャーキャピタルが株式を売るということは、当然株価は下がります。

初値で株式を売ってくれていればよいが、そうでなければ上場後の値上がりした時に株式を売ってきます。

そうなると株価は上値を抑えられ、また一気に株式を手放されると株価の急落もあり得るのです。

従って、IPOしようとしている銘柄の大株主にベンチャーキャピタルが居た場合は、IPO後の上値抑えと値下がりの可能性を常に警戒しないといけません。

以下は、2016年12月21日にIPOを行ったグレイステクノロジー(6541)の上場前に公表されていた大株主名簿と、上場後の日足チャートです。

大株主 保有株式数 株式割合
松村 幸治 代表取締役 381,300 33.27%
NMC(株) 代表取締役が議決権の過半数を持つ会社 210,000 18.32%
SBIインキュベーション(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 180,000 15.71%
グレイステクノロジー(株) 自己株式 154,800 13.50%
村田 斉 取締役 67,800 5.92%
SBIベンチャー企業成長支援3号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 26,700 2.33%
SBIベンチャー企業成長支援4号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 19,200 1.68%
SBIアドバンスト・テクノロジー1号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 14,700 1.28%
SBIベンチャー企業成長支援2号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 13,800 1.20%
SBIベンチャー企業成長支援 ベンチャーキャピタル(ファンド) 9,600 0.84%
ベンチャーキャピタルの合計 264,000 23.04%
セカンダリー投資とは何か?初心者でも10分で理解できる投資講座

グレイステクノロジー(6541)の総株式数に対して、ベンチャーキャピタルだけで23.04%も株式を保有していたことが分かります。

そしてチャートを見ると、上場初日に初値7,130円を付けた後、その日の終値までに21%安い5,650円まで値下がりしました。

さらに上場日から2営業日後の2016年12月26日には、初値から35%安い4,620円まで値下がりしています。

この急落が、ベンチャーキャピタルによる株式の売却に伴う値下がりなのかどうか、本当のところは分かりません。

しかし、ベンチャーキャピタルが出資しているIPO株は、このような上場後の急落があり得ることは忘れてはいけません。

従って、セカンダリー投資の初心者であれば、ベンチャーキャピタルが大株主にいる銘柄は避けた方が安全と言えます。

IPO銘柄の株主情報は、IPO引受証券会社や以下の記事でもIPO情報をまとめているので、確認できます!
IPOスケジュール※現在執筆中です※

3-2. 同業種と比べて割安か

初値が同業他社と比べて割安であれば、その後買われる可能性が高いです。

初値が割安かどうかは、PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)を用いて比べることができます。

PERは、時価総額を純利益で割るか、株価を一株あたり利益(EPS)で割ることで算出することができます。

このPERが低ければ、割安と判断できます。

例えば、時価総額が5億円、純利益が2千万円であれば、PERは25倍。

株価が1,000円で一株あたり利益が100円であればPERは10倍です。

業種によってPERは似て来るので、PERは同業種の中で比べるのが実践的です。

PERは、個人投資家はもちろん機関投資家も採用している投資指標であり、PERを判断基準にするのは理にかなっています。

3-3. 業績よりも期待値

IPOを行う銘柄は、これから成長しようとしている企業が多く、業績はそこまで良くはない場合も多いです。

従って、業績を見て投資するかどうかを判断することはセカンダリー投資の正しい姿勢とは言えません。

セカンダリー投資で求められるのは、今後その企業がどれだけ成長する可能性があるのか見極められる選定眼です。

どんなに業績が良く、安定している企業だとしても、主事業が競争の激しく古くからある分野であればその企業の成長の見込みは低いです。

逆に今は業績が悪くとも、競合が少なく、これからどんどん市場規模が大きくなることが確実な分野であれば、銘柄への期待値も大きく、将来大きく株価が化ける可能性があります。

一昔前のIT関連銘柄や、ソーシャルゲーム関連銘柄などが典型です。

従って、今後どのような分野の事業が伸びて来るのかアンテナを張っておくことも、セカンダリー投資では求められるのです。

4. 初心者でもできるセカンダリー投資のリスク管理

セカンダリー投資はハイリターンな分、ハイリスクでもあります。

従って、リスク管理には気を配らなくてはいけません。

4-1. 投資銘柄を分散する

セカンダリー投資とは何か?初心者でも10分で理解できる投資講座

セカンダリー投資においては、投資資金を複数の銘柄に必ず分散して割り振るようにすべきです。

全ての投資資金を一銘柄に投入すると、予想が外れた時に投資資金を一度に大きく失うことになり、投資活動の継続が難しくなります。

セカンダリー投資は一度しかチャンスがない訳では無く、新たに未上場企業が上場するたびにチャンスが回ってきます。

分散することで、一度の投資で得られる利益は少なくなるが、継続的な投資活動をすることを重視すべきです。

4-2. 自分の売買ルールを作る

セカンダリー投資は、買タイミングも売るタイミングも自分で判断することになるので、感情で売買しないように明確な売買ルールを定めることが大切です。

IPO投資の場合は抽選に申し込み、当たったら初値で売り払うという単純な作業で利益を上げることができます。

売買タイミングに工夫の余地はなく、投資家が100人いたら100人が同じ行動をすることができます。

しかし、セカンダリー投資は、「いつ買うのか」「いつ売るのか」はそれこそ投資家によって秒単位で異なり、たったの数秒の差でも利益は大きく異なってきます。

セカンダリー投資にこれからチャレンジしようと考えている投資家は、そんな基準も何もない世界で利益を上げようとしているのです。

何も基準がない状態で売買するということは、買うタイミングも売るタイミングもでたらめということでもあります。

でたらめに株式を売買して利益を継続的に出せるわけがありません。

売買ルールを作ることは、そんな何もない世界に自分の基準を作ることであり、利益を生む錬金術を作ることでもあります。

セカンダリー投資に挑む前に、自分の売買ルールを明確に定めておきましょう。

売買ルールの作り方や注意点については、「セカンダリー投資で年間20%の利益を上げるための心得10箇条」や「新規公開株(IPO)とは異なるセカンダリー投資のリスクとは?」を参考にしてください。

4-3. 銘柄に関連するニュースをチェックする

株式を保有したら、その銘柄のニュースには目を光らせ続ける必要があります。

株価は、理由もなく上下するわけではありません。

もちろん、日々の小さな株価の変動にまで何か理由があるわけではありませんが、一日で10%以上値が動いたり、株価が数日から数週間かけて数倍になったり半減したりするような時は必ずそうなる理由が存在します。

価格の変動理由にはさまざま材料がありますが、頻繁に目にする材料として以下のようなものがあります。

株価の上昇材料
・決算発表内容が良かった

・大規模プロジェクトを受注した

・自社株の公開買い付け

・同業他社の業績が良い

・株式の減資

・新製品、技術の発表

株価の下落材料
・決算発表内容が悪かった

・不祥事を起こした

・自社株の売り出し

・同業他社の業績が悪い

・株式の増資

・新製品、技術を発表するも期待外れ

以下は、サムコ(6387)の日足チャートです。
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サムコは、2016年12月9日の証券市場が閉じたあとに8-10月期の決算を発表しました。

決算の中で、サムコは経常利益が赤字転落したことを報告しています。

そして、決算発表後の初の営業日である12月12日に一気に値下がりをしました。

もし、12月9日のニュースを確認していれば、次に市場が開くと売りが大量に出ることが予想できるため、損失を最小限に抑えるために12月12日の寄付きで売り払うことができたでしょう。

ニュースを欠かさずチェックすることは、それだけでも十分なリスク管理になるのです。

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5. 初心者でもセカンダリー投資で利益を上げやすい売買戦略

セカンダリー投資で、初心者でも利益を上げやすい売買戦略を紹介します。

5-1. 初値買い

『初値買い』は、上場日に初めて付ける値で株式を購入することです。

上場日に『寄付き買い注文』を出していれば、初値買いが可能です。

人気のIPO銘柄は、初値の時点で公開価格よりもかなり高くなっているものですが、本当に人気があると初値を付けた後もトントン値上がっていきます。

上場日から数日~数週間で初値に比べて数倍から十数倍になることもあるのです。

そして何より、初値買いは買タイミングが決まっているので非常に分かりやすいです。

初値買いの場合、投資家が考えることは「いつ売るか」だけなので、初心者にとっても取り組みやすいのです。

以下は、2016年12月16日に東証マザーズに上場したシンシア(7782)の日足チャートです。
セカンダリー投資とは何か?初心者でも10分で理解できる投資講座

シンシア(7782)は初値で1,950円を付けた後、12月30日までに初値から2倍以上値上がりし、4,545円の高値を付けました。

上場からわずか10日で2倍以上であるから、初値買いしていたとしたら凄まじい利益率です。

5-2. 公開価格買い

『公開価格買い』は、IPO銘柄の公開価格まで株価が下がったら買うことです。

上場から時間が経っている銘柄を見ると分かりますが、株価には底になりやすい価格というものが存在します。

数カ月や数年のスパンで株価の波があったとしても、必ずその価格から反転するような価格帯のことです。

下は、ソフトバンクの2011年から2013年にかけての週足チャートです。
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株価は2,200円前後で、何度も反転していることが分かると思います。

つまり、この価格帯で多くの投資家はソフトバンク株を売りから買いに転じていることが予想できます。

ところが、IPO直後だと過去の株価データがないために、反転する価格がどのあたりなのか過去チャートを用いた予想ができません。

そこで反転の指標となるのが、公開価格です。

下は、2016年10月21日に上場したユーザベース(3966)の日足チャートです。
セカンダリー投資とは何か?初心者でも10分で理解できる投資講座

公開価格2,510円に対して初値が2,908円、上場翌日に3,545円の高値を付けた後下落しました。

そして公開価格の2,510円と比べて40円高い2,550円まで下げた後に反転し、再び3,000円台を回復しています。

ユーザベース(3966)は非常に分かりやすい例で、ここまで公開価格ぴったりの価格で反転することは珍しいです。

多くの場合、公開価格±10~20%くらいの範囲で反転します。

買うタイミングとしては、『初値買い』の次に分かりやすい指標です。

最後に

セカンダリー投資は戦略の幅が広く、投資家の裁量次第で大きく利益を出すことも損失を出すこともあるハイリスク・ハイリターンの投資です。

従って、初心者が最初から利益を出し続けることは難しいでしょう。

しかし、IPO直後の銘柄の値動きの特徴を知り、リスク管理を徹底して、利益の出やすい投資戦略を採用すれば初心者でもある程度利益を出せるようになるはずです。

IPO投資のように簡単確実ではないですが、自分の投資スキルを高めるには非常に適した投資対象とも言えます。

リスクをしっかり管理しつつ、積極的にセカンダリー投資で利益を追求してください。

 

続いては、副業としてセカンダリー投資をするか迷っている方必見の記事です!
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